兵庫民医連小児科後期研修
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小児科後期研修

兵庫民医連基礎研修方針は、研修施設である尼崎医療生協病院小児科が関連施設として登録している大阪民医連の耳原総合病院小児科(日本小児科学会研修認定施設、堺市)の、「小児科基礎研修」方針1)を基に作成されている。従来の「小児科後期研修」要項(2002年作成)を、複数の専攻医受け入れを前提として、必須オプションを分離した形で2008.3に改訂を行った。しかし、学会が新しい「地域小児科センター認定制度」を打ち出し、専門医制度についても「地域小児科センター」での一定期間の研修を必須と定めるに至り、今回、(1)外部研修規定、(2)他の非必須オプションの追加を行う改訂を実施する。(2008.7改訂)

【獲得目標】

GIO(一般目標)

兵庫民医連小児科後期研修
  1. 小児の発達の評価、援助の面での力量をつけていくようにする。
  2. 予防接種の具体的知識と接種方法、健診活動、集団保育の健康管理活動など、小児保健活動について学び身につける。
  3. 小児の主要な疾患について基本的な診察が行える力量を身につける。
  4. 小児の特徴を考慮した検査・治療法の適応知識を持つ。
  5. 小児に多い救急患者への適切な対応、あるいは喘息、食物アレルギーなどの慢性疾患管理や心身障害児の管理の習熟、正常及び異常新生児の診察なども身につける。
  6. 自ら経験した症例や、臨床統計のまとめをおこない、今後の診療に生かすとともに、種々の学会、研究会に発表する。
  7. 日本小児科学会専門医を取得できるようにする。

【SBOs(行動目標)と方略】

SBO-1 患児と家族との医療面接と身体所見をとることができる。

  1. 患児と家族から的確な問診と適切な身体所見をとり、小児に特性を考慮した検査を実施して、的確な診断ができるようにする。
  2. 加齢と疾患の関連を理解し、見落としのない診察技術を身につける。

SBO-2 小児保健活動について学び身につける。

  1. 予防接種の具体的知識と接種方法を身につける。
  2. 乳幼児健診活動に参加し、心身の発育状況を捉える力量を身につける。
  3. 保育所健診活動に協力し、集団保育の健康管理について学ぶ。機会があれば学校などの検診にも参加する。
  4. 虐待事例などに関わり、地域の子どもを守る活動やネットワークを学ぶ。

SBO-3 小児救急患児への適切な対応ができる力量を身につける。

  1. 時間外診療を体験し、小児救急対応の診療を学ぶ。
  2. 一次~三次の小児救急を理解し、地域のネットワークと院所の役割を学ぶ。
  3. 小児麻酔見学・挿管実習などを通して、重症児への緊急対応の力量を身につける。

SBO-4 小児の慢性疾患管理について学び、一般的な初期指導がおこなえるようになる。

  1. 喘息、食物アレルギーなどの慢性疾患管理や心身障害児の管理を見学する。
  2. 担当医から系統的に講義を受け、機会があれば指導医の指導の下で個別の症例を診療しながら、一般的な診断・指導が行えるようにする。

SBO-5 研修スケジュール・専門医取得。

  1. 症例検討、文献学習、学会発表など。
    毎週の病棟カンファレンス、月1回の外来ケースカンファレンス、月2回の抄読会には必ず参加する。地区小児科講演会、兵庫県地方会、民医連関係の小児医療研究会や学術運動交流集会などの参加を重視する。地方会への発表は卒後5年目終了までに1回は目指す。保育所や班会などの健康講座は積極的に担う
  2. 法人や県連の研修医会に参加し、自らの研修問題の改善や後輩への援助にも協力する。
    小児科研修会議で自らの研修の到達点などを研修総括として提出する。
  3. 日本小児科学会在籍5年以上で、専門医取得をめざす。
  4. 研修の流れは以下の通りとする。

<最初の半年間>(3年目前半)

  1. 小児科病棟の小児入院患者を主治医として受け持つ(患者数は数人とし、指導医を付ける)。
  2. 採血、静脈ルート確保などの習熟度を確認する。
  3. 一般外来も週3単位以上担当する。
  4. 当直は一般研修医として入る。
    小児科二次救急は年度ごとに別途検討するが、月2回以内とし、必ず指導医とのペアで組む。
  5. 小児挿管手技の習得も目指す
  6. 担当保育所を指導医と共に複数受け持つ。
兵庫民医連小児科後期研修

<3年目後半以降>

  1. 以下の「必須オプション」あるいは「非必須オプション」の選択を検討する。(専攻医内での要調整)
  2. 小児科二次救急は、到達力量を検討し、可能な時点で単独に移行するが、その場合も必ず指導医拘束を組む。
  3. 指導医と協力して病棟管理を学び、次世代研修医の直接指導も担う。
  4. 学会専門医試験受験の条件となるレポートの作成を指導医の確認を得ながら進める。
  5. 4年目以降のいずれかの時期に、6ヶ月~1年間の「地域小児科センター」などの外部研修を保障する。この外部研修の研修先や期間は、本人の希望と県連の小児科医療展望の合意の下に検討する。
  6. この時期には、外来を週3~4単位(特診、他院所での外来なども含む。短時間の間にいかに適切な診断、母子保健指導を行うかを学ぶ)、入院受け持ち患者は数人とし、当直も担当する。また、慢性疾患管理の学習・見学に努める。

※「必須オプション」;以下の2個のコースを卒後5年終了までに終えることを目指す。

<新生児コース> 期間:6ヶ月間

【獲得目標】

GIO(一般目標)

  1. 新生児~乳児期の発達の評価、援助の面での力量をつけていくようにする。
  2. 健診活動、集団保育の健康管理活動など、乳幼児の保健活動について学び身につける。
  3. 新生児の主要な疾患について基本的な診察が行える力量を身につける。
  4. 新生児の特徴を考慮した検査・治療法の適応知識を持つ。
  5. 自ら経験した症例や、臨床統計のまとめをおこない、今後の診療に生かすとともに、種々の学会、研究会に発表する。

【SBOs(行動目標)と方略】

SBO-1 新生児及び乳幼児と家族との医療面接と身体所見をとることができる。

  1. 家族からの的確な問診と新生児及び乳幼児の適切な身体所見をとり、新生児及び乳幼児の特性を考慮した検査を実施して、的確な診断ができるようにする。
  2. 加齢と疾患の関連を理解し、見落としのない診察技術を身につける。
  3. 新生児主治医として当院出生新生児全てに対応する。全例に必ず指導医(保育器収容児は菅医師、他は合田医師)をつける。可能であれば、新生児期の特異性を検案し、菅医師の指導のもとに心エコー検査及び頭部超音波検査の研修を検討する。

  4. 新生児研修の参考文献;「NICUマニュアル」(新生児医療連絡会編・金原出版)

SBO-2 乳幼児の保健活動について学び身につける。

  1. 乳幼児健診活動(全て)に参加し、心身の発育状況を捉える力量を身につける。具体的に健診を担うための学習の援助は合田医師が担当する。
  2. 虐待事例などに関わり、地域の子どもを守る活動やネットワークを学ぶ。
  3. 健診活動研修の参考文献;「乳幼児健診マニュアル」(福岡地区小児科医会乳幼児保健委員会編・医学書院)

<障害児コース> 期間:6ヶ月間

【獲得目標】

GIO(一般目標)

  1. てんかんの診断と治療について学ぶ。
  2. 障害児医療について学ぶ。重症患児への適切な対応を学ぶ。
  3. 発達の正常・異常について学ぶ。

【SBOs(行動目標)と方略】

SBO-1 障害児診療への適切な対応ができる力量を身につける。

  1. 藤岡医師の神経特診を最低週1単位見学する。
  2. 脳波検査の判読を全例行い、藤岡医師のチェックを受ける。

SBO-2 重症患児への適切な対応を学ぶ。

  1. 重症心身障害児・者の緊急入院を中心に担当し、その特性を踏まえた診療を学ぶ。上記入院の全例に必ず指導医(藤岡医師あるいは冨永医師)をつける。
  2. 重症児の在宅往診に週1単位同行する。月2回の病棟・障害児カンファレンスに参加する。
  3. 重症心身障害児医療の参考文献;「重症児のQOL」(藤岡一郎著・クリエイツかもがわ)

SBO-3 発達の正常・異常について学ぶ。

  1. 週1例ずつ発達相談を見学する。

※「非必須オプション」;以下の2個のコースは希望があれば実施する

<小児アレルギーコース> 期間:3ヶ月間

【獲得目標】

GIO(一般目標)

  1. 小児アレルギーの診断と治療について学ぶ。
  2. アレルギー検査の適応と方法について学ぶ。
  3. 重症児の対応について学ぶ。

【SBOs(行動目標)と方略】

※日本アレルギー学会教育認定施設(小児科)のプログラムに沿って研修する。

SBO-1 小児アレルギーの診断と治療について学ぶ。

  1. 以下の特診を各医師分につき最低週1単位見学する。
    • 森岡医師;小児気管支喘息の管理
    • 冨永医師;食物アレルギー・小児アトピー性皮膚炎(AD)の管理
  2. 上記プログラムに基づき、各ガイドラインに沿った講義を受ける。
    また、近隣で開催される小児アレルギー関係の研究会などに参加する。
  3. 外来にて受け持った小児アレルギー患児の定期フォローを指導医の指導の下で行う。

SBO-2 アレルギー検査の適応と方法について学ぶ。

  1. SBO-2 アレルギー検査の適応と方法について学ぶ。
  2. 外来あるいは入院診療にて食物負荷試験を冨永医師の指導下で実施する。

外来あるいは入院診療にて食物負荷試験を冨永医師の指導下で実施する。

  1. 喘息重症発作、食物誘発性アナフィラキシー、栄養障害を伴う重症乳児ADなどの入院症例主治医を冨永医師の指導の下に経験する。

<小児循環器コース> 期間:3ヶ月間

【獲得目標】

GIO(一般目標)

  1. 小児循環器疾患の診断と治療について学ぶ。
  2. 小児循環器の検査の適応と方法について学ぶ。

【SBOs(行動目標)と方略】

SBO-1 小児循環器疾患の診断と治療について学ぶ。

  1. 菅医師の循環器特診を見学する。
  2. 川崎病などの入院症例の主治医を菅医師の指導の下に経験する。
  3. 近隣で開催される小児循環器関係の研究会などに参加する。

SBO-2 小児循環器の検査の適応と方法について学ぶ。

  1. 入院症例などの小児の心電図を菅医師の指導の下に全例読影する。
  2. 小児心エコー検査を見学する。
  3. 近大などで当院症例の心カテ症例があれば見学する。

主な外部研修先

耳原総合病院(大阪府堺市)

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